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らっぱ親父のひとり言

らっぱ親父のひとり言

○あと押し

中学生のレッスンをしていると、音の始めが弱くて途中から強くなる症状が目立ちます。

これを「あと押し」と習いました。

聞き手側からはあきらかに「あと押し」と分かるものが、吹き手には分かりづらいらしく平然と吹き続けます。

技術的な積み重ねで解消される問題ではなく、意識を変えて行く指導を以外では「あと押し」を治すことが難しいようです。




レッスンという形式に指導は、毎日の学校での練習とは場所も先生も違うことで、緊張感は高まります。

当然一つ一つの言葉のインパクトは高まりますので、ポイントを指摘しての指導には有利な方法ではありますが、「意識付け」「癖の矯正」という作業には適さないようです。




「意識付け」「癖の矯正」は毎日の練習の中で“繰り返し”指摘されることで、だんだんに達成されるもので、「指摘」以外には特別な技術(知識)は必要ないので誰でも治せるものだと思います。

この“繰り返し”という作業が難しいことが、月に1回か2回のレッスンの弱点だと思っています。

学校毎のカラー等を加味して解決方法を提示していますが、「あと押し」を治すのには相当な時間がかかります。

「あと押し」癖のある生徒が来ると、またか!という気持ちです。




「あと押し」についての思い出や解決方法をお知らせ下さい。



メカニズムについて(例によって勝手な推測ですが)は別の機会に書きたいと思います。




<<耳が痛い言葉です。 そたぱぱさん>>


あとおし,私も初心者の頃は
頻繁にやってしまいました(-_-;)


その心理としては・・・

吹き始めの音はうまくでるか
どうかわからないので,

びびる。

そして音が出るのがわかると,
嬉しいので,

はりきる。


・・・なのではと勝手に考えています。


自分があとおしをしているのに気付かないで
指摘されるときって,たいていは,

「え,あとおししてたんだ?
 そんなはずはないのに」

と思ってしまう。

そう。あとおしをしているときは,
たいてい自分が気持ちよく吹いていると思い込み,
まわりも気持ちよく聴こえてると思い込んで
いることから始まっている。

そして,あとおしをする子は,
たいてい積極的に表現しようとする子に多い。

響かせようを
後で意識してしまうのでしょう。


指導するときは,
その積極性を充分に買いながらも,
後押しをした歌い方の気持ち悪さを
こちらから教え,
自信を持って吹けるようにさせるように
慣れさせます。

後押しをしている子は,
自分の経験上,あまりしかりたくないなあ。
諭してあげたい。

(2005/03/27 05:19:49 PM)




<<発声練習 ばんどういるかさん>>


私の場合、音の立ち上がりが不安定だったので・・・師匠に自分がオペラ歌手になったように発声練習しましたよ。なかなか家では出来ませんが学校なら出来ますね。
これには、色々苦労しました。大きい音(声)は怒鳴り声にならないように、体に響かせるその時自分の体何処が響いているか体験しました・・・・
声帯を震わせるか、マウスピースに当てた唇が震えるかの違いですが音を一発で当てる事に関して私的には、結果の出た練習でした。

ブレスに関して、編成がどのような形なのかは不明ですが、自分の場合曲にもよりますが自由にしています。メロディーの流れ上切れたらこまるところは、相手と相談して、ブレスの位置を変えています。メロディーラインが途切れないようにする事があります。

私の経験談ですが・・・・・
失礼しました。(2005/03/27 07:44:03 PM)




<<これもパターンがありそうですね。 dongguan777さん>>


そたぱぱさんの心理面でのコメントはこれも一つのケースだと思いますね。

この張り切ると言うのとは違う説(微妙に違う説?)について書きます。

(ケース1)
例えば吹く音がCの場合に、このCの音を吹く前にイメージ出来ていない
(あるいは当たるかどうか不安に思っている)

そのため、このCの音を出すときに最初は探りを入れるように小さめに入るが、

音が出ると、「たぶんこれで合っている!」となり、音が大きくなる。

(ケース2)
ケース1と同じ様に最初は探りを入れるように小さめに入るが、

音が出た瞬間に無意識のうちに周囲に合わせる様にピッチを変えている。

(ケース3)
単にアタックに問題があり、出だしが不鮮明になっている。


ケース3は全くの別問題でわかり易い話ですので良いのですが、

ケース1についてはその本人達と話を聞いていて、
どうもそう言う事では無いかと思った話で、

ケース2については観察していて「どうもそんな事をしている様な気がする??」
と思った話です。

これはレアケースかもしれませんが、ちょっとコメントさせていただきました。
(2005/03/27 10:02:29 PM)



<<2005/03/28 日記>>

日記に書いた内容にいつもたくさんのご意見をお寄せいただき本当にありがとうございます。

昨日に引き続き「あと押し」について書かせていただきます。



「あと押し」には技術的要因もいくつかあると思います。

大きな原因の一つとして発音下手があると考えています。

充分なアパチュアを確保せずに息を入れることで、唇を“こじ開けて”吹く(未熟なうちには殆ど全員にこの傾向があります)ことが問題なのではないかと思います。

音を出し始める時点では、息の通り道が確保されずある程度の時間(息が唇をこじ開けるまで)の後に音が響くようになるのが「あと押し」につながっているのではないでしょうか?

安定して音を出せるようになることで、「あと押し」がかなりの割合で矯正できるのではないか(もちろん「あと押し」の癖に気付くことが大前提です)と思います。




ある程度安定して音が出せるようになっても、今度は「余韻」という問題が立ちはだかっているように感じます。

「余韻って何?」の項をお読みいただくと分かると思いますが、「余韻」は付けるものではなく付くものだと考えていますが、私の見る限り「余韻」を付けなさいという指導者は少なくありません。

その付け方は「音の終わりに向かって息を減らしながら唇を閉じて行く」という方法が一般的のようです。

もちろん技術的な指導をしない場合も多いとは思いますが、その場合は子供たちが自分で模索して、同じ方法を選択してしまうようです。

その結果、次の音を出す時点でのアパチュアが確保できずに、初心者同様の音だしとなり、「あと押し」をするようになってしまうようです。



お寄せいただいたご意見を含め、「あと押し」の原因はこれだけでは無いと思います。

心理と理論両面からのケアを指導者が根気良く続けることが、「あと押し」を矯正する近道ではないでしょうか。



あとがき

この項は私の指導者としての限界や挫折を書くことを目的として「あと押し」のような心理的(習慣的かも?)要因の大きな問題点の矯正には“日々の指導”が大切であり、私のような月1~2回のレッスンしか持てない立場では大きなジレンマを感じているということを書きたかったのですが、思いがけず技術・心理の方に向いてしまったようです。

「あと押し」の矯正は小中学生を指導される方には相当大きな課題だと思います。

ズケズケ書かせていただきましたので、ご批判も多いかと思いますのでご意見をお寄せください。




<<なるほど… また通りすがりの者さん>>


確かに「あと押し」のクセの抜けない人って多いかもしれませんねぇ。
私案ですけど、
例えば、ゆったりとしたテンポで2分音符x2(または4分音符x4)を
すべてテヌートで(あと押しせずに)正しく吹くことができるようになると、
少しは改善される(理解してもらえる)ように思うのですが…(2005/03/31 08:29:24 PM)




<<みっか^^さん>>


私の子供(今度6年生で去年の秋からサックスをはじめました)も、後押ししちゃってます^^;
どういうときにするのかというと、クレッシェンドしたいときや、テヌートの音が続くときです。
他の楽器ではどうなのかわかりませんが、サックスのタンギングの場合、原則として息は出しっぱなしで舌でリードに触れるのですが、その息の圧力が足りないと後押しのように聞こえてしまうようです。
(2005/04/01 11:26:40 PM)


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